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SBI日本高配当株式ファンドってどう?構成銘柄と実績は?

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2023年末から始まった、SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)

配当もキャピタルゲインも狙うという、とても魅力的な投資信託です。

今回はこのファンドを、2025年2月28日付の月次レポートをもとにレビューしてみます。

なおこれらの記事は定期的に更新しています。

とりあえず結論
  • 守りに寄った構成銘柄をキープしている印象。
  • 構成銘柄数は95銘柄(前回78)と増え、まだまだ分散させていく可能性。
  • 期間収益率は改善し、2024年夏の暴落影響は落ち着いたように思えた。
  • しかし、今度はトランプ政権の動向に振り回され、今後も不透明な市場予想。
  • 依然として97%が株式でハイリスクよりのファンドなので、買うなら少額積立が無難かも
  • ただしベースとなる投資方針は設定から一貫している
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直近の成績

期間収益率

過去1ヵ月:▲1.13%(前回調査時2024年11月は▲0.81%)
過去3ヵ月:3.89%(同▲1.16%)
過去6ヵ月:2.69%(同▲4.23%)
設定来:19.32%(同14.85%)

設定来リターンはプラスで、前回調査時2024年11月よりも良いパフォーマンスとなっています。
過去3~6ヵ月のリターンは前回よりも改善し、2024年夏の暴落の影響が薄れ、暴落前の水準に戻ってきたようにみえます。

ただ、2025年にはトランプ大統領が関税措置を乱発したり、日本では参院選も控えており、もう市場が安定する時期は誰にもわからない状況ですね…。

分配金

2025年1月10日の決算日で、1万口あたり140円の配当が出ています。
これで4期連続で140円の配当が出たことになります。

しかし10月の配当は特別配当金といって、要するに元本の払い戻しです。
つまり投資家の利益にならない配当金で、そのため課税もされません。
→ 分配金は2種類あるの? – 野村アセットマネジメント

これでは配当金を喜べませんね。
個人的には、直近のパフォーマンスが低下していることから、まだしばらく140円配当が続くと思われます。

ポートフォリオの状況

・株式組入比率 97.14%(前回調査時は94.2%)
・配当利回り 3.92%(同4.19%)
・PBR 1.45倍(同1.56倍)
・ROE 12.1倍(同%11.64倍)

ファンドの運用状況(抜粋・要約)

【2025年2月28日基準の月次レポートより】
  • 2月はTOPIXが▲3.82%となり、ファンドのパフォーマンスも▲1.13%と悪化した。
  • 安藤・間、ソフトバンク、商船三井などがプラス寄与。
  • 日本特殊陶業、いすゞ自動車、日本たばこ産業などがマイナス寄与。
  • 2月は新たにキリンHD、三菱商事、九州電力を購入した。
  • いすゞ自動車、アダストリアを売却した。

2月は保有銘柄全体のパフォーマンスは悪かったようです。
特に今回はいすゞ自動車を売却しており、前回に全売却した日産自動車と合わせて自動車関連株の売却が目立ちます。
この思い切りの良さを、私たち個人投資家もぜひ見習いたいものですね^^

なお組み入れ銘柄数は95銘柄となっており、2024年11月の78銘柄から増えました。
数ヵ月単位で見ると、徐々に銘柄数を増やしているようです。

今後の運用方針(抜粋・要約)

・2月は特に米国の関税問題のニュースに振り回される展開だった。
・これまで好調だった半導体が利食い売りされる一方、好決算の内需関連は底堅かった。
・今後の懸念はトランプ政権の関税問題で、不透明な市場環境となりそう。

【以下はだいたい毎回同様の文言】
・引き続き、収益性に優れ配当力のある企業への投資がパフォーマンス向上につながると考えている。
・短期的には金融など特定セクターの銘柄を組み合わせることも考慮している。
・高配当利回り銘柄比率は高め、それ以外のウェイトは抑えめにしている。
・引き続き市場動向をモニターしつつ、適宜銘柄入替や投資比率の調整をしていく方針。

ベースの方針は変わりませんが、トランプ政権の関税問題を警戒しており、これからも不安定な市場となることを予想しています。
好決算の内需関連が底堅かったとの文言から、良いパフォーマンスは予想して買うような投機的手法によるものではなく、長期を見据えて保有していた銘柄の恩恵だったことが伺えます。

構成銘柄・セクタ比率

銘柄数は95社、そのうち開示されているのは上位30社。
分散投資の有効性が出てくる70銘柄を越えているので、リスク分散も意識しているようです。(→分散投資とは?)
前回調査の時点で80銘柄程度で安定したかのように思えましたが、まだ銘柄数は増えるようです。

各銘柄の保有比率は1~4%強となり、分散を利かせているようです。
1つの銘柄を極端に多く保有することはないようです。

銘柄比率上位のソフトバンク、SBIHD、商船三井などは継続してトップ10入りしています。

セクタ比率は、輸送用機器、建設、銀行業は上位のままですが、鉄鋼の割合が減りました(4位→15位)。
ディフェンシブ銘柄である医薬品の比率は不変でした(14位キープ)

2024年夏の世界的な暴落の影響が落ち着いてきた頃でしたが、関税問題などその他の影響で、変わらず守りの構成銘柄となっている気がします。
(→ディフェンシブ銘柄とは?)

※▼リストはタップすると拡大します。

「SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)月次レポート2025年2月28日基準」より筆者が抜粋

ファンドの基本情報

ファンド特色
高水準のインカムゲインと中長期的なキャピタルゲインによるトータルリターンを追求する。
基本的には、ポートフォリオの平均配当利回りが市場平均を上回るように銘柄選定・投資比率決定を行う。

配当も値上がり益も狙うとはなんて欲張りな投資方針なんでしょう笑
でも、こういったわかりやすく欲丸出しのファンドは今まで目立たなかったので、その潔さが人気の秘訣かもしれません。
ファンド設定後わずか48営業日で、純資産総額が500億円を突破したことからも、いかに人気であるかが伺えますね。

設定日
2023年12月12日

構成銘柄
詳細は上述したとおりです。

資産クラス構成
国内株式 97.14%(前回調査時は94.24%)
国内リート 0.64%(同0.7%)
現金など 2.2%(同5.1%)

手数料
買うとき(購入時手数料):なし
保有時(信託報酬):0.099%
売るとき(信託財産留保額):なし
コストは激安の信託報酬のみです。

分配方針
決算月は年4回(1・4・7・10月)。
分配金額はファンドがいい感じに決定し、原資が少額の場合は分配しないこともあるようです。

分配対象額の範囲は、繰越分を含めた経費控除後の配当等収益と売買益(評価益を含みます。)等の全額とし、委託会社が基準価額水準、市場動向等を勘案して収益分配金額を決定します。ただし、分配対象額が少額の場合等は、分配を行わない場合があります。また、将来の分配金の支払い及びその金額について保証するものではありません。

交付目論見書より

販売会社
SBI証券、SBI新生銀行の2つだけです。
このファンドを買うにはどちらかを利用する必要があります。

NISA適用
成長投資枠のみで購入できます。
つみたて投資枠では、条件を満たしていないので購入できません。

少額積立可能
100円以上1円単位で買付できます。
最低100円からで、101円でも買えるということです。
売却時も100円以上1円単位で発注できます。

SNSの声(意訳・抜粋)

ポジティブな意見
・弱気相場なのにこのファンドだけ良いパフォーマンスが出ている
・半導体を組み入れた時期は心配だったが、最近の銘柄構成は本来の配当メインっぽくなってきた
・Vポイントでこのファンドを買い増ししました
・ポテンシャルに期待

ネガティブな意見
・銘柄入れ替えが迷走してる感じ
・日経平均が下がっていたのでこのファンド買った

当初はアクティブファンドであることを毛嫌いする意見が多数ありました。最近はそれを利用して、値下がりしたタイミングでスポット買いする人が増えてきた印象があります。

まとめ

今回はSBIの欲張りファンドについて、私見とともに紹介しました。

ふたたび結論
  • 守りに寄った構成銘柄をキープしている印象。
  • 構成銘柄数は95銘柄(前回78)と増え、まだまだ分散させていく可能性。
  • 期間収益率は改善し、2024年夏の暴落影響は落ち着いたように思えた。
  • しかし、今度はトランプ政権の動向に振り回され、今後も不透明な市場予想。
  • 依然として97%が株式でハイリスクよりのファンドなので、買うなら少額積立が無難かも
  • ただしベースとなる投資方針は設定から一貫している

構成する資産クラスのほとんどが株式なので、全体としてはハイリスクな商品に分類されるでしょう。
NISAの成長投資枠でしか購入できないことからも推測できます。

魅力的な商品ですが、買い方次第でいくらでもリスク低減を図れるので、ここまで読んでいただいた皆さんが損しないような投資行動を取れることを、心から祈ります。

参考資料
SBI-SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)
月間レポート(2025年2月28日基準)

※文中に出てくる具体的な投資商品などは、内容をわかりやすく解説するためだけに用いており、これらの商品への投資を勧めるものではありません。実際に投資するかの判断は自己責任にてお願いします。