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数十万円の損?退職金をもらう前に絶対提出すべき書類

この記事は約5分で読めます。

「以前の職場から振り込まれた退職金、なんか少ないんだけど…!」

転職や定年退職するときに何もしないと、こんな事態に直面してしまいます。

それは、自動的に約20%が課税される仕組みになっているからなんです。

対策は「退職所得の受給に関する申告書」を提出することです。

この記事では、
・受け取れるはずの退職金が減ってしまう理由
・その対策

についてサクッと解説。

せっかくの退職金、1円でも多く手取りにしたいですよね。
転退職を決めている方、これから転退職する方は必見です。

とりあえず結論
  • 退職金には自動的に約20%課税され、手取り額が大幅に減ってしまう
  • それを防ぐには、退職所得の受給に関する申告書を提出すること
  • 提出し忘れても、確定申告すれば大丈夫
  • 申告書を提出しても、一定の所得税等は源泉徴収される
    =100%を手取りにできないパターンもある

こんなに大事なことなのに、学校や会社では教えてくれません。
ですが、この記事を読めばもう大丈夫!

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なにもしないと退職金が激減する

転職や定年で退職すると、会社によっては退職金が受け取れますよね。

しかし退職手続き時に何もしないと、退職金に自動的に20.42%が課税され、本来よりも受け取る額が激減してしまいます。

この課税をブロックして退職金の手取りを守るためには、退職金を受け取るまでに「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなければなりません。

これは詐欺ではなく、れっきとした所得税法の一部なのです。

国内において退職手当等の支払を受ける居住者は、この申告を行わなければなりません。この申告を行わない場合は、その退職手当等の金額につき20.42%の税率による源泉徴収が行われることとなります。

A2-29 退職所得の受給に関する申告(退職所得申告)より抜粋

でも、こんなことは学校じゃ習わないし、社会に出てからも耳にする機会はまずないですよね?
つまり、申告書を出すことを知っている人だけが損しない制度、といえます。

申告書の有無で手取りはどれくらい違う?

国税庁サイトに例が載っていたので紹介します。

勤続10年2カ月、退職金800万円の場合

申告書を提出すれば、天引き額は9万1890円で済みます。
提出しないと、天引き額は163万3600円です。

その差はなんと約154万円!!!
紙切れ1枚を出すかどうかで、ここまで手取りが変わってしまうのです。

もうひとつ、現実的な金額で試算してみましょう。

勤続ジャスト5年、退職金100万円の場合

申告書を提出すれば天引き額は0円となり、100万円がまるごと手取りとなります。
提出しないと天引き額が20万4200円となり、手取りは79万5800円となります。

この例からも、申告書の提出がいかに大事かわかると思います。

退職所得の受給に関する申告書って?

法律で、退職金をもらう人はこの申告書を提出する決まりになっています。
提出しないと、退職金の20.42%を勝手に天引きされてしまいます。
申告書の概要をチェックしていきます。

手続きをする人
退職金を受け取る人

・提出期限・提出先
退職金を受け取るときまでに、退職金を支払う者(会社など)に提出

・注意点
確定申告をする場合は、退職所得の金額を含めて申告する必要があります。

また、同時に他からも退職金をもらっている場合は、その「退職所得の源泉徴収票」を添付する必要があります。

申告書はどこで入手する?

大きく2通りの方法があります。

会社が用意する

退職手続きの際には、いろんな書類を書いたりハンコを捺したりします。
その際、担当者に聞けば申告書を用意してくれる場合があります。
担当部署は人事、労務、経理など、会社によって異なるため確認が必要です。

このパターンのメリットは、申告書の記入方法を直接確認してもらいながら提出できることです。

国税庁のウェブサイトからダウンロードする

国税庁のサイトからダウンロードして印刷、持参するという手もあります。

A2-29 退職所得の受給に関する申告(退職所得申告)

このページ下部にPDFがあるのでそれを利用しましょう。

出典:「退職所得申告書」

このパターンだといつでも申告書を手に入れられる反面、自力で記入しなければなりません。
この申告書、記入ルールが結構めんどうなので、以下のサイト等を参考にしながら自力で頑張る必要があります…。

退職所得の受給に関する申告書|提出しないと税額計算が変わる理由

申告書の提出を忘れてしまっても、確定申告すればよい

退職所得の受給に関する申告書の存在を知らなかったり、知っていても提出を忘れてしまった・間に合わなかったといった場合でも、確定申告をすれば大丈夫です。

一時的に多額の源泉徴収がされますが、確定申告すれば本来の源泉徴収額との差額が戻ってきます。

結果、申告書を出した場合と同じ手取りにすることができます。

まとめ:申告書の提出を忘れずに

今回は、退職所得の受給に関する申告書について解説しました。

ふたたび結論
  • 退職金には自動的に約20%課税され、手取り額が大幅に減ってしまう
  • それを防ぐには、退職所得の受給に関する申告書を提出すること
  • 提出し忘れても、確定申告すれば大丈夫
  • 申告書を提出しても、一定の所得税等は源泉徴収される
    =100%を手取りにできないパターンもある

たった一枚の紙きれを提出するかしないかで、手取りが大きく変わってきます。

皆さん、転退職する際はこの記事を思い出してくださいね!

知らないうちに数十万円も損してしまうと、せっかくNISAセルフメディケーション税制などでコツコツ節税している分が、あっけなくチャラになってしまいますよ…。

参考文献
A2-29 退職所得の受給に関する申告(退職所得申告)
No.2732 退職手当等に対する源泉徴収
別紙 退職所得の源泉徴収税額の速算表