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関税とは?上がるとどうなる?関税の仕組みをわかりやすく解説!

この記事は約8分で読めます。

「トランプ関税の追加関税、なんと25%に…!」
と聞いてもピンとこない方、いるのではないでしょうか。

関税についてちょっと知るだけで、この話題についていけるようになります。

この記事では、
・関税とはなんなのか
・誰が払うのか
・日本にどう影響するのか

などをサクッと解説。

5分でビジネス力をアゲましょう(^^)

とりあえず結論
  • 関税とは主に輸入関税のことを指す
  • 「関税率を上げる」とは、自国に輸入されるモノの値段を高くすること
  • 他国の製品より自国の製品を消費させる目的がある
  • 輸入関税は、自国の企業などが自国政府に支払う
  • 極端な関税率アップは自国・他国ともにデメリットが多い
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関税とは、輸出入の際の税金

関税とは?

関税とは、海外から輸入される商品に対してかかる税金のことです。
もっぱら輸入関税のことを指し、輸出関税はあまり議論になりません。

輸入関税の目的は、
・国内産業の保護
・税収の確保

の2つがメインです。

関税の仕組み

例えば、「アメリカが日本の車に15%の関税をかけた」ケースをみてみましょう。

アメリカが、日本から100万円の車を輸入

輸入関税は15%なので、かかる税金は15万円

最終的な販売価格は、115万円

つまり、関税がかかることで輸入品の販売価格が上がるわけです。

アメリカにおいて、同じ100万円の車でもアメ車なら100万円で買えるのに、日本車は115万円必要になります。

この結果、アメリカにとって相対的に安く買える国産車(=アメリカ産)の需要が増え、アメリカ国内の生産者が守られるというわけです。

関税があることで、アメリカ政府には関税収入が入り、アメリカ国内の自動車メーカーの需要も守られるということになります。

なぜ今、アメリカとの関税が話題に?

もともと、日米間ではアメリカに不利な条件での関税が設定されていました。
このままではアメリカは損しっぱなしです。

トランプ大統領はそこに不満があり、両国の差が小さくなるように関税率を調整しました。
それが今回の相互関税です。

平たくいうと、日本にも不利な条件にして、両国の関税負担を平均化しようというものです。

昨今、関税が話題になるのは、この関税率の調整が突発的で急激なものだからです。

相互関税は15%で落ち着いた?

2025年7月25日、日本政府からアメリカとの関税交渉の合意内容が公表されました。

・従来の税率が15%未満のものは、一律15%に引き上げ
・15%以上のものは、これまでの税率が維持される見通し

例えば生鮮食品の関税率はゼロ~低水準でしたが、これらが一律15%になることで、この分だけアメリカのスーパーマーケットでの価格が高くなり、日本からの輸入食品を買いづらくなる、ということですね。

→ 【2025年最新版】アメリカの関税率一覧 主要品目と関税対策を解説!

日本からみると、アメリカに輸出した製品を安く売れなくなるので、アメリカでの売り上げが悪くなる、ということですね。

自動車は2.5% → 15%へ

従来、日本からアメリカに入ってくる自動車は、2.5%の関税率でした。
これを27.5%と大幅に引き上げることになっていましたが、最終的には15%で落ち着いたようです。

ニュース等では「15%へ引き下げ」という表現をしていて20%超よりはマシという印象を受けますが、従来の2.5%の6倍なので全然マシじゃないですよね(笑)

後述しますが、関税が上がった分は消費者の負担となることも多いのです。

100万円のトヨタ車をアメリカ国内で買うとしたら、今までは102万円で買えたのに、今後は115万円となってしまうかもしれませんね。

こうなると、アメリカで日本車を買おうとする気が失せるのも無理ないですよね。

→ 【詳細】相互関税 15%に引き下げ 9分野中心に米に投資

関税を払うのは、アメリカの企業

日本製品に対する輸入関税は、製品が到着する地であるアメリカの企業や貿易会社が、アメリカ政府に支払います。

日本が損する、といった報道内容から日本がアメリカに支払うイメージがありますが、違うのです。

日本で作ったプリウスをアメリカで買ったときの関税は、トヨタのアメリカ現地法人がアメリカ政府に支払うイメージです。

でも結局、消費者が支払うことに…

アメリカの企業としては今までの6倍の税金を取られることになります。
経営へのダメージも無視できません。
どうにかしてこの突発的な経営ダメージを軽減したい…

そこで手っ取り早いのが、商品価格に上乗せすることです。

100万円の車にプラス15万円の関税がかかるなら、その15万円を上乗せして売るということです。
アメリカの消費者は115万円で車を買うことになり、間接的に関税ぶんを負担することになります。

15万円の値上がりといえば、いくつかメーカーオプションをつけられちゃいますよね。
輸入や貿易ときくと一般家庭には影響がなさそうな気がしますが、実は家計に直結した問題なのです。

輸入関税が上がっても、日本にメリットなし

ここまではアメリカ目線でお話ししてきました。
しかし、日本への影響も無視できません。

日本企業の経営が悪化する

関税ぶんは企業か消費者が負担することになります。
よって車をはじめとする多くの日本製品が、アメリカで売れにくくなります。

同じ品質の商品がただ単に値上がりすることになるので、消費は冷え込むでしょう。
そうなると日本企業の利益(売上)も減ってしまいます。

トヨタ:「アメリカでプリウスが全然売れないんだけど!(泣)」

日本の景気が悪くなる

ちょっと強引ですが、

日本企業の経営が悪化する

株価低迷

不景気

と考えることができます。

実際は企業の工夫や為替変動によって株価低迷を抑えられたり、逆に上がったりするかもしれません。
いずれにしても日本市場にとって不安定な要素であることは間違いないでしょう。

【余談ですがなにか】

Chat GPTに、関税率アップの日本のメリットを強引にひねり出してもらいました。

「アメリカ依存の商売から脱却し、アジアなどに新たな販路を見出すチャンス」

とのことでした。

既存の販路に加えての新規販路ならともかく、大口の顧客を捨ててまで開拓することはメリットとはいえませんよね…

やはり今回のトランプ関税、日本にとってメリットは皆無だと考えるのが自然でしょう。

日本の家計へも悪影響が

日米間で相互関税が発動すると、日本の一般家計にも悪影響がありそうです。

関連企業は給料が減るかも

相互関税の影響をモロに受ける会社で働いている方は、会社の業績悪化に伴ってボーナスなどが減るかもしれません。

株価が下がって積立資産が減るかも

企業の業績悪化で株価が下がると、保有している株式や投資信託の評価額も減ります。
NISAやiDeCoで資産運用している方は、保有資産の推移を確認した方がよいでしょう。

ただし、積立投資は数十年単位の超長期で考えるものなので、目先の乱高下に一喜一憂しないことが非常に大切です。

一般家庭としてはどんな対策がある…?

関税上昇による家計負担を軽減するために、2つの対策を紹介します。

1.ふるさと納税は超オススメです。

お金自体は直接節約できませんが、手数料を上回る物資が手に入るので、実質オトクな制度です。

例えば、ただ5万円の税金を納めてもなにも起こりませんが、その5万円をふるさと納税すれば1万5000円ぶんくらいの食料などが手に入ります。

2.NISA・iDeCo による資産運用もオススメです。

これは、すぐに家計の負担を和らげるものではありませんが、低リスクで数十年後の資産を増やせる可能性がある手段として有名ですよね。

例えば、1万円をただ持っているだけでは30年後も1万円ですが、資産運用すれば1万2000円くらいにはなるかもしれません。

まとめ:極端な関税上昇はデメリットしかない

今回は、2025年の日米の関税問題についてまとめてみました。

ふたたび結論
  • 関税とは主に輸入関税のことを指す
  • 「関税率を上げる」とは、自国に輸入されるモノの値段を高くすること
  • 他国の製品より自国の製品を消費させる目的がある
  • 輸入関税は、自国の企業などが自国政府に支払う
  • 極端な関税率アップは自国・他国ともにデメリットが多い

トランプ大統領は行動力のある方ですが、判断が強引で極端なところもありますよね。

日本もそんなアメリカに影響されないのが理想ですが、輸入も輸出もアメリカ頼みの現状では難しいでしょう。

私たちにできることは、スーパーで国産の食料品を買って日本企業を応援することくらいでしょうか。

ただ、国産のお肉、高いんですよね…

そうなるとやはり、家計ダメージを最小限にして国内を応援できる、ふるさと納税がオススメですよ(^^

※この記事は2025年7月27日現在の情報にて執筆しています

参考文献

・関税とは何か?仕組み、種類、トランプ相互関税政策までやさしく解説

・【3分で読める】いまさら聞けない関税とは?

・【デスク解説】関税とは?誰が払うの?経済はどうなる?

・輸入関税・輸出関税の基礎から最新動向まで|DXで変わる国際物流とトランプ関税の影響

・トランプ政権 自動車部品にも25%の関税発動 日本への影響懸念

・【解説】 日米の関税合意、アジアと世界にとって何を意味するのか