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なぜ電気代が値上げされているの?原因は?

この記事は約6分で読めます。

「そもそもなんで電気代が値上げされてんの…?」

政府が補助金を出すくらい深刻な、電気代の値上げ。

この記事では、電気代の値上げ背景をサクッと解説。

・なぜ値上がりしているのか
・電気代の仕組みがどうなっているのか

について、東京電力・スタンダードSプランを例にわかりやすくまとめました。

とりあえず結論
  • 値上げの理由は、原油価格、賦課金、託送料金などが上がっているから
  • 補助金アリでも相殺しきれていない
  • 本格的な値上がりは、政府の補助金が終了する12月検針分から
  • 既にひと家庭1500円ほど負担増となっているかも

この記事は2024年7月27日現在の情報をもとに書かれています。

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原油価格の高騰が根源

最近の電気代高騰、原油価格の上昇が一番の原因と言えます。
それに伴い、

  • 電力量単価の上昇
  • 燃料調整費のマイナス分の縮小
  • 再生可能エネルギー発電促進賦課金の上昇
  • 託送料金の高騰が請求金額に転嫁
  • 政府による激変緩和措置の終了

などが総合的に影響していると考えられます。

電力量単価の上昇が顕著です。
どの月も200kwhは使うとして、前年同月比で単純に月2000円の値上げです。

燃料調整費は変動しますが、直近では値上がり傾向です。

再生可能エネルギー利用促進賦課金は、4月→5月で2倍以上に高騰しています。

政府による補助金は11月に向けて段階的に減っていき、12月からは値引きゼロとなります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

電気代の内訳

電気代は、5項目の合計で成り立っています。
そこに臨時で補助金が加味されます。

  1. 基本料金
  2. 電力量料金
  3. 燃料調整費
  4. 再生可能エネルギー利用促進賦課金
  5. 託送料金
  6. 政府による補助金

基本料金

契約アンペア数で決まる固定料金です。
東京電力では10Aあたり311.75円です。

2024年3月までは295円だったので、16円値上がりしています。
30A契約なら月48円値上げですね。

(→ 電気料金単価表(低圧)- 東京電力)

電力量料金

使用した電力量に応じて課金される料金です。
単価は1kwhごとに決まっています。

最新の料金体系
  • 120kwhまで…29.8円/kwh
  • 121~300kwhまで…36.4円/kwh
  • 301kwh以降…40.49円/kwh

この単価は2023年6月に比べて、1kwhあたり10円ほど値上がりしています。

筆者の2023年7月の料金明細(東京電力)

月200kwh使うと、
(単価29.8円×120kwh)+(単価36.4円×80kwh)=6488円
これが1年前だと、
(19.9円×120kwh)+(26.49円×80kwh)=4507円となり、差額は1981円

同じ使用量でも、1年前より2000円ほど高くなっています。

燃料調整費

燃料価格の変動に応じて、毎月変動する調整額です。
1kwhあたり数円を、加算もしくは減算します。
減算の場合は、電気代が値引きされることになります。

筆者の2023年7月の料金明細(東京電力)

上の画像では燃料調整費が▲9.95円→▲0.46円と、9.49円/kwh変動しています。
200kwh使うとすると、差額の1898円ぶん家計負担が増えています。

この燃調費は毎月の変動が激しく、大きく値引きに働いてくれる月もあります。

政府の補助金はこの燃料調整費に自動的に適用されています。
よって、料金明細書の燃料調整費は既に補助金を加味した料金となっています。
加味しても相対的に値上がりしているということは、それだけ原料となる燃料価格が高騰しているということです。
(→ 燃料調整費(低圧) – 東京電力)

再生可能エネルギー発電促進賦課金

使用電力量に応じて課金される費用です。
1kwhごとに数円が上乗せされます。
要は変動する税金のようなものです。

2024年4月までは1.4円/kwhでした。
これが、2024年5月から一年間は3.49円/kwhとなることが確定しています。

200kwh使うとすると、去年は280円だったものが今年は698円と、400円ほど値上がりします。

→ 再生可能エネルギー発電促進賦課金単価 – 東京電力

託送料金

託送料金は送配電設備の利用料として、以前から電気代に含まれて請求されていました。
この託送料金が新しくなり、要するに値上がりしました。
その分が、基本料金や単価へ転嫁(反映)されています。

(→ 低圧の料金メニューの見直しについて – 東京電力)

政府による補助金

政府による電気代・ガス代の値引き措置です。
上述した燃料調整費に自動的に適用されています。
2024年前半は「電気・ガス価格激変緩和対策事業」、後半は「酷暑乗り切り緊急支援」という2クールで実施されます。

ただし2つの補助金の狭間である7月・8月検針分は補助金ゼロ状態なので、特に値上げを痛感するかもしれません。
(→ 電気・ガス価格激変緩和対策事業)

補助金の効果は1000円ほど

別記事で試算すると、補助金で月1000円ほどの負担軽減となっています。

変動が激しい燃料調整費を除いた項目たちの合計は2500円程度なので、実際の電気代は1年前に比べて1500円ほど高くなりそうです。

そして12月に補助金が完全に打ち切られると、月2500円の負担増がのしかかってきます。
しかも悪いことに、日本では夏より冬の方が多く電気を使う傾向にあります。
地域によっては3000円以上の負担増となるかもしれません。

ちょっと無視できない金額ですよね…

まとめ:原油価格が落ち着かないとどうしようもない

今回は、電気代が値上がりしている実状についてまとめてみました。

ふたたび結論
  • 値上げの理由は、原油価格、賦課金、託送料金などが上がっているから
  • 補助金アリでも相殺しきれていない
  • 本格的な値上がりは、政府の補助金が終了する12月検針分から
  • 既にひと家庭1500円ほど負担増となっているかも

特に変動が激しいのは燃料調整費で、ここは原油価格の反映と政府の補助金が加味されることもあってかなり複雑に値動きしています。

同じ使用量なのにズバ抜けて高い請求が来たときは、まずは燃料調整費を確認してみましょう。

原油価格の高騰が価格転嫁されたか、補助金が打ち切られたかどちらかの可能性が高いかもしれません。

参考資料
過去の再生可能エネルギー発電促進賦課金単価および太陽光発電促進付加金単価一覧
国による電気・ガス価格激変緩和対策事業について
スタンダードプラン 料金体系
燃料費調整単価等一覧
電気・ガス価格激変緩和対策事業
平成26年度東京都家庭のエネルギー消費動向実態調査報告書
電気料金単価表
酷暑乗り切り緊急支援 FAQ