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SBI全世界高配当株式ファンドってどう?構成銘柄や実績は?

この記事は約7分で読めます。

2024年10月1日から始まった、SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)

配当もキャピタルゲインも狙うという、とても魅力的な投資信託です。

今回はこのファンドを、2022年2月28日基準の月次レポートをもとにレビューしてみます。

なおこの記事は定期的に更新していきます。

とりあえず結論
  • 4つのマザーファンドに投資するファンド
  • 9割以上が株式、うち56%が米国に偏っている
  • セクタ構成はディフェンシブと景気敏感株のバランスが良さそう
  • どのファンドも世界各国の金利の影響を注視しているよう
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直近の成績

期間収益率

過去1ヵ月:▲1.47%(前回調査時2024年12月は0.96%)
過去3ヵ月:1.16%
設定来:7.05%(同6.84%)

出典:月次レポート

設定来(≒5か月)リターンはプラス、1ヵ月リターンは今回はマイナス着地となりました。
SBI日本高配当株式ファンドのときよりも、ちょっとスタートダッシュが鈍い気もしますね。

分配金

2025年2月20日の決算で、1万口あたり95円の分配金が出ています。

ポートフォリオの状況

・株式組入比率:93.41%(前回92.84%)
・配当利回り:3.95%(同4.10%)

株以外の約7%の資産クラスが気になりますね…。

組入銘柄・セクタ比率

ファンド全体の構成銘柄数は公表されていません。
組入上位30銘柄までは公開されています。

組入銘柄

※▼リストはタップすると拡大します。


出典:月次レポート

各銘柄の保有比率は最大でも2.37%であり、かなり細かく分散を効かせているようです。

統計学的に、分散投資の有効性が出てくるのは70銘柄以上といわれています。
ファンドの規模からするとこの全世界ファンドも全体では70銘柄以上ありそうな気もします。

地域・セクタ

※▼リストはタップすると拡大します。

地域はアメリカ56%とかなり偏っています。
地域分散は弱く、地政学的リスクは高いといえるでしょう。

セクタ比率上位はエネルギーで約15%、銀行で約14%を占めています。
銀行は景気敏感株に分類されることが多いセクタです。
ただエネルギーのセクタ分類は曖昧なことが多く、MSCIではディフェンシブ、モーニングスターでは景気敏感株とされています。

3位以降は医薬品、電気通信、食品飲料など、典型的なディフェンシブセクタが占めています。

全体としてはディフェンシブとセンシティブが半々くらいのバランスとなっているようです。

ファンドの運用状況

このファンドは4つのファンドから成るので、4種類の運用状況が公開されています。
以下は全て、2025年2月28日基準の月次レポートから抜粋・要約したものです。

SBI米国高配当株式マザーファンド

2月はS&P500, NYダウ、ナスダックすべてが下落。
理由はトランプ大統領の関税を巡る発表、1月のCPIが予想外に強かったこと、FRBが利下げを急がない方針を示したことなど。
生活必需品、ヘルスケアなどが上昇。
一般消費財サービス、通信などは下落した。

CVSヘルスなどがプラス寄与。
マリオットなどはマイナス寄与。
今月のポートフォリオ管理で、金融セクタのウエイトを減らし、ヘルスケアが増えた。

利下げ見通しは後退。
一方で業績相場への期待が強まっていることから、企業ごとの利益成長が注目されると考える。

SBI欧州高配当株式マザーファンドⅡ

2月は1STOXX Europe 600指数をはじめとする代表的な指数が史上最高値を更新。
好材料は好調な決算銘柄、EUの防衛費拡大、ロシア/ウクライナ間の和平への期待、ECBの利下げ期待など。
悪材料はトランプ大統領の関税政策、米国の欧州防衛からの撤退の懸念など。
セクタでは銀行、通信、食品飲料などなどが良く、情報技術、メディアなどが軟調だった。
国別ではスペイン、オーストリアなどが高リターン。

シーメンス、HSBC、BAWAGグループなどがプラス寄与。
AI関連半導体、ASMLなどがマイナス寄与。
今月のポートフォリオ管理で、情報技術、公益などのウエイトを減らし、生活必需品ヘルスケアを増やした。

ECBが連続利下げを実施し、さらなる利下げが期待されている。
当面は利下げのインパクト、中国の政策による株価への影響にも注目している。
トランプ政権、ウクライナ戦争の行方などが懸念材料。
ファンドとしてはGRANOLASなどへも投資し、インカム&キャピタルゲインを狙っている。

※GRANOLASとは、欧州を代表する11企業の略称。GAFAMみたいなもの。
高く安定した成長性、強固な財務基盤、良好な配当利回りなどが特徴。

→ GRANOLAS(グラノラス)-投資一般人の壁-

SBI日本高配当株式マザーファンド

当ブログの、SBI日本高配当株式ファンドの記事で紹介しています。

SBI新興国高配当株式マザーファンド

22月の新興国株式市場はほぼ横ばい。
上旬は米金利低下が歓迎されたことなどから多くの市場で上昇。
中旬はドル高により低迷。
下旬は米ハイテク株の下落に引っ張られ新興国市場も下落。

オーレン、ポシュラクネ、アブダビイスラミック銀行などがプラス寄与。
バンク・ラヤット・インドネシアなどがマイナス寄与。

欧州ではさらなる利下げが期待されている。
米国では利下げ見通しが後退している。
中国の株価への影響も注目されている。
引き続き新興市場の高配当銘柄中心に投資していく。

全体として、米国(というかトランプ大統領)に振り回されそうな予測です。

ファンドの基本情報

ファンド特色
4つのマザーファンドを投資対象とし、高水準のインカムゲインと中長期的なキャピタルゲインによるトータルリターンを追求する。
基本的には、ポートフォリオの平均配当利回りが市場平均を上回るように銘柄選定・投資比率決定を行う。

設定日
2024年10月1日

手数料
買うとき(購入時手数料):なし
保有時(信託報酬):0.055%
売るとき(信託財産留保額):なし
コストは激安の信託報酬のみです。

分配方針
決算月は年4回(2・5・8・11月)。
分配金額はファンドがいい感じに決定し、原資が少額の場合は分配しないこともあるようです。

分配対象額の範囲は、繰越分を含めた経費控除後の配当等収益と売買益(評価益を含みます。)等の全額とし、委託会社が基準価額水準、市場動向等を勘案して収益分配金額を決定します。ただし、分配対象額が少額の場合等は、分配を行わない場合があります。また、将来の分配金の支払い及びその金額について保証するものではありません。

交付目論見書より

販売会社
SBI証券、SBI新生銀行の2つだけです。
このファンドを買うにはどちらかを利用する必要があります。

NISA適用
成長投資枠のみで購入できます。
つみたて投資枠では、条件を満たしていないので購入できません。

少額積立可能
100円以上1円単位で買付できます。
最低100円からで、101円でも買えるということです。
売却時も100円以上1円単位で発注できます。

まとめ

今回はSBIの欲張りファンドについて、私見とともに紹介しました。

ふたたび結論
  • 4つのマザーファンドに投資するファンド
  • 9割以上が株式、うち56%が米国に偏っている
  • セクタ構成はディフェンシブと景気敏感株のバランスが良さそう
  • どのファンドも米国・欧州・中国の市場を相互に注視しているよう

構成する資産クラスはほとんどが株式なので、全体としてはハイリスクな商品に分類されるでしょう。
NISAの成長投資枠でしか購入できないことからも推測できます。

魅力的な商品ですが、買い方次第でいくらでもリスク低減を図れるので、ここまで読んでいただいた皆さんが損しないような投資行動を取れることを、心から祈ります。

参考資料
SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)
月次レポート 2025年2月28日基準

株式ファクターの循環性計測:ファクター・ベースのアプローチ

※文中に出てくる具体的な投資商品などは、内容をわかりやすく解説するためだけに用いており、これらの商品への投資を勧めるものではありません。実際に投資するかの判断は自己責任にてお願いします。