「住民税の決定通知書って、なに…?」
6月ごろに手元に届く住民税の決定通知書。
この書類、どう扱えばよいのでしょうか。
この記事では、住民税決定通知書の意義と基本的な見方をサクッと解説。
会社勤めで給与をもらっている、年収400万円くらいの方を対象としています。
・決定通知書にはなにが書いてあるのか
・捨てずに保管しておくべき理由
がわかります。
- 決定通知書は、住民税額と収入を証明する書類
- 徴収予定の住民税や、各種控除の状況を確認できる
- 住宅ローン申請の際に必要なので、保管しておくべき
住民税決定通知書とは?
住民税決定通知書は、収入を証明し、住民税額を知らせる書類です。
正確には市町村民税・道府県民税 税額決定納税通知書といいます。
住民税は前年の収入から計算され、その計算過程が書いてあります。
源泉徴収票は所得税の書類、住民税決定通知書は住民税の書類、というイメージ。
通知書は捨てずに保管しておきましょう。
それは、iDeCo・ふるさと納税の確認や、住宅ローン申請の際に必要だからです。(後述)
住民税ってなに?という方は以下の記事も見てみてくださいね。
通知書のチェックポイントは?
住民税決定通知書の中で特にチェックしておきたい項目は4つ。
- iDeCoが反映されているか
- ふるさと納税の額が正しいか
- 住宅ローン控除の額が正しいか
- (定額減税の記載があるか)
iDeCoのチェック
iDeCo(個人型確定拠出年金)は強力な節税方法ですが、年末調整や確定申告の際に自分で申告しないと適用されません。
確認方法は、決定通知書の「所得控除」欄の「小規模企業共済」欄に数字が書いてあればまずはOKです。
iDeCoをしている方でこの欄が空欄だったり数字が間違っている場合、節税できていないかもしれません。
早めに税務署に相談した方がよいでしょう。
→ 毎年6月に届く「住民税決定通知書」 忘れずチェックしたい3つのポイント
ふるさと納税(寄附金控除)のチェック
ふるさと納税は厳密には節税にはなりませんが、返礼品で差し引きオトクになる制度です。
「摘要」欄に、寄附金控除(市20000円、県10000円)などの記載があることを確認した上で、金額が合っているかチェックしましょう。
ワンストップ特例でふるさと納税した方
摘要欄の金額=ふるさと納税額-2000円となっていればOKです。
確定申告でふるさと納税した方
摘要欄の金額=(ふるさと納税額-2000)×{1-(所得税率×1.021)}となっていればOK。
例えば年収400万円の方が3万円のふるさと納税をした場合を考えます。
課税所得170万円、所得税率5%とすると、
(30000-2000)×{1-(0.05×1.021)}
≒2万5621円 となります。
住宅ローン控除額をチェック
住宅ローン控除を所得税から引ききれなかった場合は、「摘要」欄に「市住宅控除4万円 県住宅控除3万円」のような記載がされます。
→ 住宅借入金等特別控除が反映されていないのはなぜですか – 八王子市
定額減税
定額減税が行われた場合は、「摘要」欄に「定額減税額10000円 控除残額0円」のような記載がされます。
2024年に行われた定額減税で、住民税分は6月の賃金から一括で1万円分を控除されました。
住宅ローン申請の際に必要
この通知書は、家を買って住宅ローンを申請するときに提出を求められます。
あなたがローンを返済する能力があるかどうか、収入をもとに審査するためです。
極端な例だと、年収200万円の給与収入だけで2億円のローン通過は厳しいかもしれません。
住民税決定通知書と源泉徴収票、どちらも収入を証明するものです。
しかし住宅ローンを申請する時期によって「直近の」収入を証明するものが違ってきます。
例えば8月時点なら住民税決定通知書、2月なら源泉徴収票です。
2月時点で手元にある住民税決定通知書は、2年前の収入を証明するものに過ぎないからです。
ただし一般的には、過去数年分の決定通知書・源泉徴収票の提示を求められるようです。
→ 【ローン審査の必要書類】源泉徴収票と住民税決定通知書・課税証明書の違い
→ 住宅ローン申し込み時に提出する源泉徴収票はどこをチェックすべき?
まとめ:大事な紙なので保管しておこう
今回は、住民税決定通知書についてまとめてみました。
- 決定通知書は、住民税額と収入を証明する書類
- 徴収予定の住民税や、各種控除の状況を確認できる
- 住宅ローン申請の際に必要なので、保管しておくべき
勝手に届き、届いたからといって何か起こるわけでもなく、「この紙いるの?」と思っていた方もいるでしょう。
実は源泉徴収票と同じくらい大事な書類だったんですね。
給与明細と違って再発行できないので、昔の分も含めて保管しておきましょう。