「結構な額が天引きされてるけど、住民税ってなに?」
厚生年金や健康保険に次ぐ天引き額を誇る、住民税。
この記事では、個人住民税の基本についてサクッと解説。
ふるさと納税や定額減税にも関係する住民税、一緒に社会勉強しましょう。
- 住民税は、都道府県民税と市町村民税を合わせた表現
- 所得割と均等割の2区分で徴収される
- 均等割は地域によって上乗せがある
- 節税したいならNISAなどの資産運用が有効
住民税って?
住民税=都民税+市民税
都道府県民税と市町村民税を合わせて、住民税と呼ばれます。
住民税は、地域社会の会費として様々な行政サービスに充てられます。
住民税は前年の所得から計算した税額を、翌年6月から1年間支払います。
会社員の場合は給料から天引きされ、この方式を特別徴収といいます。
例えば、2024年1月1日~12月31日にの所得から計算した税額を、2025年6月~2025年5月の1年間で支払います。
つまり、稼いだ年の翌年から翌々年にかけて徴収されます。
よく、「新卒より2年目の方が手取りが少ない」という話を聞きます。
これは、新卒は住民税が天引きされずに済む一方、新卒とほとんど給料が変わらない2年目はそれを上回る額の住民税が取られるために起こる現象です。
それだけ住民税の負担額は大きいということですね。
参考までに年収400万円の場合の住民税は、年26万円(月2万円強)くらいです。
1年目の手取りより26万円多く稼がないと、2年目の方が低くなってしまいますね。
(参考:【2024年7月最新】所得税・住民税の計算シミュレーションツール)
住民税の仕組み
住民税はその課税方式から、所得割と均等割の2つに分けて徴収されます。
所得割は前年の課税所得に応じた税額となり、税率は一律10%。
均等割は所得に関係なく一定額が徴収され、基準は年4000円です。
(→ 総務省 個人住民税)
また、2024年から全員を対象に森林環境税(国税)として年1000円が取られています。
実際の住民税の額は、毎月の給与明細や住民税決定通知書で確認することができます。
住民税と市民税の違いは?
住民税は、都道府県民税と市町村民税を合わせた語です。
つまり、住民税の中に市民税が含まれています。
お住まいの地域によって市民税ではなく町民税や特別区民税と名称が変わります。
実は、均等割には市区町村独自の税金が加味されます。
例えば宮城県ではみやぎ環境税として年1200円の上乗せがなされています。
つまり宮城県の方は、基準の4000円と森林環境税1000円も合わせて年6200円が住民税均等割として徴収されているんですね。
住民税決定通知書って?
住民税決定通知書は、毎年6月ごろに会社から配布される、もしくは市区町村から送付されてくる書類です。
ここには、今年6月から1年間の住民税の徴収スケジュールが書かれています。
年間トータルの徴収予定額は差引納付額の数字です。
また、この通知書には前年に行ったふるさと納税や、定額減税の処理が反映されています。
ふるさと納税は返礼品をもらって終わりではなく、きちんと税処理されたかまで確認するべき制度です。
数字が間違っていたら早めに税務署に相談しましょう。
(関連記事:ふるさと納税とは?)
住民税を節税するには?
節税といっても微々たるものですが、いくつか策があります。
NISAなどの資産運用
NISAでは金融商品の利益に税金がかからないため、利益をまるまる手に入れることができます。
本来は住民税(地方税)として5%課税されます。
住民税だけを考えれば、NISAなら利益10万円に対して5000円の税金を取られずに済むということです。
ふるさと納税
実はふるさと納税では節税できないのですが、手数料を上回る額の返礼品が手に入るので、差し引きでオトクになる制度です。
年収400万円だと、うまくやれば12000円分のオトクを実現することもできます。
定額減税
これは政策なので個人で自由に利用できるものではありませんが、2024年の定額減税では一人1万円ぶん、住民税が安くなりました。
ただし、年額から1万円を引いた残りを11カ月かけて徴収するので、毎月の徴収額は多くなっているかもしれません。
まとめ:住民税は意外と高い
今回は、住民税の基本についてまとめました。
- 住民税は、都道府県民税と市町村民税を合わせた表現
- 所得割と均等割の2区分で徴収される
- 均等割は地域によって上乗せがある
- 節税したいならNISAなどの資産運用が有効
ここまで読めば、住民税について社会人として充分な知識が身についていると思います。
所得税や源泉徴収票など、税金についてもっと詳しく知りたい方は関連記事も読んでみてくださいね。