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最適解!インデックスファンドがオススメな理由を徹底解説

「投資を始めたいけど、商品が多すぎて選べない…」

株・債券・不動産…どこから手をつけていいのか迷ってしまうかもしれません。
そこでオススメなのが、インデックスファンドを積立購入するインデックス投資。

この記事ではインデックス投資のメリットとファンドの選び方を、具体的な商品を例に解説します。
読めばきっと、自信をもって投資対象を決められるようになるでしょう。

とりあえず結論
  • インデックスファンドは長期の資産運用に向いている
  • その理由は低コスト、低リスク、明確な投資方針
  • 連動する指数、信託報酬、分配金の方針、トラッキングエラーを考慮して選ぼう
  • 交付目論見書(こうふもくろみしょ)を読もう
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インデックス vs. アクティブ

まずは基本的知識として、インデックスとアクティブの簡単なおさらいです。

インデックスファンドは、市場の平均的な収益に連動することを目指す投資信託です。
その名の通り、目標とする指数(日経平均、TOPIXなど)に沿うような運用をします。
指数の構成を真似すればいいので銘柄選びの手間がなく、多数の銘柄に分散投資でき、投資対象が明確である、といえます。

アクティブファンドは、市場の平均を上回る収益を目指す投資信託です。
こちらはファンドマネージャーが選りすぐった、儲かりそうな一部の銘柄にのみ投資します。
そのぶん銘柄選びの手間がかかり、特定の銘柄に投資するので分散が弱く、投資対象も頻繁に入れ替わることがあります。

そのほか、投資について詳しく学びたいという方は、以下の記事も参考にしてくださいね。

インデックスファンドのメリット

ここからはインデックスファンドの優位性を、アクティブファンドと比較しながら解説していきます。

コストが低い

インデックスファンドは、市場の動きに忠実についていくだけなので、銘柄の選定や運用に手間がかかりません。
そのため、運用コストが低く抑えられます

運用コストは信託報酬といい、私たちの代わりに金融商品を運用してくれる人たちに払う手数料のことです。
インデックスファンドの信託報酬はアクティブファンドに比べて、格段に安くなっています。

インデックスファンドであるSBI・iシェアーズ・TOPIXインデックス・ファンド0.11%程度。
アクティブファンドである iFreeActive EVでは1.22%程度と、その差は約11倍です。

信託報酬は私たちがファンドを保有している間、常に支払うコストです。
そのため長期の資産運用では複利効果が働いて、その影響が大きくなります。

例えば、年率の信託報酬が1%のファンドと0.1%のファンドに、それぞれ100万円ずつ投資したとします。
年利5%で運用した場合、10年後には前者は約148万円、後者は約162万円になります。
信託報酬の差が0.9%なのに、資産の差は14万円にもなるのです。

このようにインデックスファンドは、コストの低さが長期的な資産形成に有利であるといえます。

リスクが低い

インデックスファンドは市場全体に分散投資できるため、リスクを減らせます。
投資でいうリスクとは損失のことではなく、価格の上下の振れ幅のことを指します。
リスクが低いとは、投資商品の値幅が大きく上下せず、安定していることを指し、長期運用ではリスクが低い方がよいとされています。

インデックスファンドでは、個別の銘柄やセクター(業種)に依存するアクティブファンドに比べて、市場の変動に対して安定したパフォーマンスが期待できます。
またインデックスファンドは、ファンドマネージャーのスキルや考え方によって運用成果が大きく変わることがありません。
先の例では、単純にTOPIXの動きを追従すればよく、TOPIXを構成する約2000銘柄に幅広く分散投資できます。

分散投資について、以下の記事でも解説しています。


一方アクティブファンドは、ファンドマネージャーの判断が結果的に的外れだったり、市場の動きに遅れたりすると、リスク(価格変動)が大きい分、大きな損失を被る可能性があります。
前出のiFreeActive EVは、約10~20銘柄にのみ投資しています。

投資対象がシンプルで分かりやすい

インデックスファンドは市場の動きに連動するので、市場の状況を見れば、自分の投資成果も把握できます。
スマホでTOPIXを見れば、自分が儲かっているかどうかわかる、ということです。
また運用方針が明確で、どのような指数に連動しているか、どのような銘柄を保有しているか、などが公開されています。
そのため、自分の投資先がどのようなものか、理解しやすいのです。

一方アクティブファンドは、目論見書に記載の運用方針が曖昧だったり、保有銘柄が頻繁に変わったりすることがあります。
そのため、自分の投資先がどのようなものか、把握するのが難しいのです。
例えば、日経平均株価は大幅に上昇しているのに、保有しているアクティブファンドはなぜか下落している、という状況に陥りがちです(逆パターンもよくあります)。

インデックスファンドの3つのメリットを紹介しました。
これらのメリットは、長期的な資産運用に適していると言えます。
長期的な資産運用では、複利効果でコスト差が大きくなりますし、リスクの差が損失の回避や回復に影響します。
また、シンプルで分かりやすい投資は、投資の継続意欲や安心感につながります。

では、インデックスファンドを選ぶときには、どのようなポイントに注意すべきでしょうか?
次の章では、インデックスファンドの選び方について解説します。

インデックスファンドの選び方

メリットを踏まえ、今度はインデックスファンドの選び方について考えてみましょう。
インデックスファンドは市場の動きに連動するだけなので、どれを選んでも同じじゃないの?と思うかもしれませんが、実はそうではありません。
同じ指数に連動するものでも、運用方針やコストなどが細かく違っています。

そこで、以下の4つのポイントを押さえて選べば、大きく外すことはないでしょう。

1. 連動する指数を選ぶ

インデックスファンドは市場の動きに連動すると言っても、どの市場のどの指数に連動するかによって、値動きやリターンが異なります。
例えば、日本株式のインデックスファンドには、日経平均株価に連動するものや、TOPIXに連動するものなどがあります。

日経平均株価は日本の代表的な225社の株価の単純平均(算術平均)ですが、TOPIXは東証一部に上場する約2000社の株価の時価総額加重平均です。
そのため、日経平均株価に連動するインデックスファンドは大型株に偏っていますが、TOPIXに連動するインデックスファンドは中小型株も含んでいます。
このように連動する指数の種類によって、インデックスファンドの特徴やリスク・リターンが変わります。

インデックスファンドを選ぶときには、自分の投資目的や期間、リスク許容度に合わせて、連動する指数の種類を考える必要があります。
例えば、今後の日本の経済成長に乗りたいという方は、日経平均株価やTOPIXなどに連動するインデックスファンドが選択肢に入るでしょう。
アメリカを始めとする世界全体の経済成長に期待するという方は、FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスなどに連動するインデックスファンドを選ぶことも有効だといえます。

参考までに、投資信託人気ランキング1位のインデックスファンドであるeMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、アメリカの株式指数であるS&P500に連動することを目指しているファンドです。

ポイント

自分の投資戦略に合った指数を選ぶ

2. 信託報酬が安いものを選ぶ

インデックスファンド同士でも信託報酬に差があります。
信託報酬は私たちが運用会社に支払う手数料のことで、年率〇%という形で表されます。

例えば、信託報酬年率0.1%のインデックスファンドに100万円投資した場合、1年間で1000円の手数料がかかります。
信託報酬はリターンから差し引かれるので、信託報酬が高いほど、実質的なリターンが低くなります。

つまり、信託報酬の額を比較し、安いインデックスファンドを選ぶことが重要です。
信託報酬の額は、各ファンドの目論見書で確認できます。
パンフレットなども参考になりますが、信託報酬が変動する商品もありますので、正確な信託報酬を確認するためには目論見書のチェックをおすすめします。

信託報酬額は一般的に、年率0.1%以下のものが安いと言われています。
このコスト差は運用期間が長期になるほど、複利効果で大きく影響してきます。
ひとつの商品を長く運用するために、充分に吟味しましょう。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の信託報酬は、2023年11月現在では最高0.09372%となっています。

ポイント

複数のファンドを比較し、安いものを選ぶ

3. 分配金を再投資するものを選ぶ

分配金とは、ファンドの運用によって利益などを投資家に分配することです。
そのインデックスファンドが分配金を出すかどうかは運用会社の方針によります。
また、ファンドの購入時に分配か再投資かを選べることもあります。

分配金を出すインデックスファンドでは、分配金を受け取るたびに所得税や源泉徴収税などがかかります。
ただしNISA口座での運用であれば課税されません。
また分配金を出すことでファンドの運用総資産が減るので複利が弱く、長期運用で大きな資産形成を目指す方には向きません。
分配金を出さずに再投資に回すインデックスファンドは、複利によって利益を増やすことにウエイトを置きます。
長期間後の大きな利益が期待できますが、それまでの間、お小遣いのように分配金をもらうことはできません。

つまり、長期運用で利益を追求するなら、分配金を再投資に回す方針のインデックスファンドが望ましいといえます。
分配金の方針は、各ファンドの目論見書で確認できます。

eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、原則として分配金は出ないタイプのファンドです。

ポイント

分配金を出さずに再投資に回すものを選ぶ

4. トラッキングエラーの小さいものを選ぶ

トラッキングエラーとは、連動する指数と実際の運用成績とのズレのことです。
インデックスファンドではこの値が小さい方が良いとされます。
というのは、トラッキングエラーが大きい=指数とのズレが大きいことを示し、それは価格変動が大きいことを示し、つまりリスクが高い状態となるからです。
長期の積み立て運用を前提として、リスクが低い運用をしたいのなら、価格変動が小さいもの=トラッキングエラーが小さい商品を選んだほうが良い、ということですね。

アクティブファンドでは種々のコストがかさむことを考慮して、逆に3%以上のトラッキングエラーが望ましいとされています。

目標とすべきトラッキングエラーの値は一概に言えませんが、連動指数と信託報酬からファンドの数をある程度絞れると思いますので、その中で小さい値のものを選ぶとよいでしょう。

ただし正確なトラッキングエラーは「ファンドの超過収益率の標準偏差」で定義されます。
これを簡単に知ることはできません。
月次レポートにある騰落率だけでは、「リターンの差」しか読み取れません。

自分で計算するよりも、信用ある機関が算出した値を参照するのが無難でしょう。

ポイント

トラッキングエラーは極力小さいものを選ぶ

・ 落とし穴に注意

目論見書で「インデックス型」となっているファンドでも、投資対象の銘柄が少ないものがあります。ある指数に連動する投資方針だったとしても、その指数自体がアクティブ性の高いものである場合、上述したインデックスファンドのメリットを活かせません。

例えば次セクションで紹介する【iFreeNEXT FANG+インデックス】という商品は、10銘柄だけで構成された指標に連動しています。
統計によると、妥当な分散効果を得るには60銘柄程度の分散が必要と言われています。
10銘柄では分散が不充分でリスクが高く、名前はインデックス、中身はアクティブファンドとして考えるのがよいでしょう。

ちなみに私はこの商品を積立投資していますが、ハイリスクであることを理解した上で、資金のごく一部だけ拠出しています。

以上のように、インデックスファンドにも、連動する指数や信託報酬の額、分配金の方針などによって、違いがあります。
これらの違いを理解して自分に合ったインデックスファンドを見つけることが大切です。

なお、欲しいファンドが見つかっても、それを買える証券会社に口座を作らないと購入できません。
ウェルスアドバイザーなどで証券会社を横断的に検索するとよいでしょう。

インデックスファンド紹介

最新のランキングから、具体的なインデックスファンドをいくつか紹介します。
ただし、人気=良い銘柄とは限らない点に注意しましょう。
(参考:みんかぶ【インデックス型】投資信託人気ランキング 更新2023/11/14 6:35)

1位:eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

連動指数:S&P500指数(構成500銘柄)
信託報酬:0.09372%
分配方針:原則として抑制(販売会社により再投資可)
直近リターン差:6ヵ月0.2%、1年0.2%、設定来1.9%
リンク:eMAXIS Slim米国株式(S&P500)

近年で大きく価額を上げた指数です。

2位:eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)

連動指数:MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(構成2947銘柄)
信託報酬:0.05775%
分配方針:原則として抑制(販売会社により再投資可)
直近リターン差:6ヵ月0.1%、1年0.1%、設定来0.4%
リンク:eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)

広く分散投資され、最も無難な選択肢のうちのひとつといえます。

7位:iFreeNEXT FANG+インデックス

連動指数:NYSE FANG+指数(構成10銘柄)
信託報酬:0.7755%
分配方針:支払い or 再投資を選択(販売会社による)
直近リターン差:6ヵ月0.6%、1年1.3%、設定来23.0%
リンク:iFreeNEXT FANG+インデックス

インデックス型とはいえアクティブファンド寄りです。
基準価額を年単位でみると、かなり乱高下しています。

9位:米国株式配当貴族(年4回決算型)

連動指数:S&P500配当貴族指数(構成67銘柄)
信託報酬:0.55%
分配方針:原則分配あり
直近リターン差:6ヵ月0.4%、1年0.7%、設定来7.4%
リンク:米国株式配当貴族(年4回決算型)

インデックス型とはいえ、どちらかというとアクティブファンド寄りです。
定期的な配当の受け取りをメインにした商品です。

11位:eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)

連動指数:TOPIX(東証株価指数、構成約2160銘柄)
信託報酬:0.143%
分配方針:原則として抑制(販売会社により再投資可)
直近リターン差:6ヵ月0.1%、1年0.2%、設定来1.7%
リンク:eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)

2位の全世界株式と同じく広く分散投資していますが、投資対象が日本だけとなっています。

まとめ:長期投資の柱はインデックスファンドで

ということで、今回は長期投資にインデックスファンドをオススメする理由をまとめてみました。
ここまで読んでくれた方は、かなりインデックスファンドに詳しくなっているはずです。

ふたたび結論
  • インデックスファンドは長期の資産運用に向いている
  • その理由は低コスト、低リスク、明確な投資方針
  • 連動する指数、信託報酬、分配金の方針、トラッキングエラーを考慮して選ぼう
  • 交付目論見書を読もう

結論の中でも、特に重要なポイントは以下です。

  • 連動する指標の種類:
    どの市場のどの指標に連動するかによって、値動きやリターンが異なります。
  • 信託報酬が安いもの:
    インデックスファンド同士でも信託報酬には差があります。信託報酬が低いほど、利益が大きくなります。
  • 分配金の方針:
    分配金を再投資に回すインデックスファンドは、長期で運用するほど最終的な利益が大きくなる可能性があります。
  • トラッキングエラーが小さいもの:
    連動指標との価格変動が小さい商品が、インデックスファンドに向いています。


また、その金融商品の説明書である交付目論見書には必ず目を通しましょう。
全て読んでいると日が暮れてしまうので、今回お伝えした4つのポイントだけでも確認しておくのが良いでしょう。

ちなみに私は、土日をまるまる二日間、目論見書を読んで過ごすことがよくあります^^;

参考URL:
iFinace 「トラッキングエラー」
https://www.ifinance.ne.jp/glossary/fund/fun112.html#gsc.tab=0

※文中に出てくる具体的な投資商品などは、内容をわかりやすく解説するためだけに用いており、これらの商品への投資を勧めるものではありません。実際に投資するかの判断は自己責任にてお願いします。