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5分でサクッと!スタグフレーションとその原因

この記事は約5分で読めます。

「スタグフレーションってインフレと違うの…?」

スタグフレーションは、給料が上がらないのに物価が上がっていく状態のことで、悪いインフレとも呼ばれます。

この記事では、スタグフレーションについてサクッと復習します。

要約・スタグフレーションとは
  • 賃金は上がらず物価だけが上がっていくので、ただの不況(デフレ)よりも悪い経済状態
  • 海外由来の原因など、発生を防げないものでもある
  • 個人レベルの対策は、資産の分散

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スタグフレーションってなに?

スタグフレーションとは不況なのに物価だけが上がる現象で、割と最悪な状態です。
本来、不況なら給料や雇用とともに物価も下がります。
しかしスタグフレーションは物価だけが上がり、賃金は低下もしくはキープです。
例えば基本給が減らされたのに、いつも食べている食パンの値段が上がった、というものです。

そうなるとみんなが節約するので、企業としては製品が売れなくなります。
業績悪化に伴って給料も上げられなくなり、従業員としてはさらに節約することになります。
また、人件費を削るために失業者も増えます。

このように、スタグフレーションとはただの不況よりも経済全体が停滞・悪化している状態なのです。

日常生活への影響は?

スタグフレーションにはデメリットしかありません。

家計の圧迫

賃金が低下もしくは不変のままで物価が上がると、純粋に家計を圧迫しますよね。
特に生活必需品は節約の限界があるので、毎月の自由に使えるお金が減ったり、貯蓄を切り崩すハメになるかもしれません。
生活水準を下げざるを得なくなるでしょう。

失業者の増加

企業は利益が減るため、人件費を削ることになります。
新規採用を見送ったり、既存の社員を解雇したりするでしょう。
結果として失業者が増えますが、どの会社も人件費を抑えたいので、再就職できたとしても低賃金の可能性があります。
給料が低ければ、やはり生活水準を低くするしかありません。

低い給料→節約→モノが売れない→企業が儲からない→低い給料…とループになり、景気が停滞します。

原因は?

考えられる原因はいくつかあります。
2024年4月現在の日本の状況をみてみます。

原材料の高騰

急激に原材料が高騰すると、賃金の上昇が追い付かず物価だけが上がってしまいます。
例えばいまなら、中東やロシアの紛争が影響しています。
紛争地域で産出する原油などのエネルギー資源価格が上昇しますが、日本での需要は減りません。
企業としては倒産するわけにいかないので、日本での電気代やガス代が高騰します。

また紛争地域を避けるように迂回して輸送するため、輸送コストも増大します。
増大したコストは価格に転嫁されています。

極端な円安

アメリカの金利が上がり、日本の金利が下がっている結果、大幅な円安ドル高となっています。
円安のせいで輸入価格は増大するので、物価が上がります。
例えば日本は小麦の約82%を輸入に頼っており、この価格が上がるわけです…。

(農林水産省「令和5年度「麦の需給に関する見通し」の公表について」)

少子高齢化

高齢者がまとめて退職することで一気に供給力が減りますが、需要は変わらないため、国内消費における物価が上がります。
さらに、現役世代の年金負担も増大するので手取りが減り、消費活動が停滞する、という悪循環です。

個人レベルのスタグフレーション対策

スタグフレーションはある程度の対策ができます。
あくまで理論上の話ですが、いくつか紹介します。

外国資産を持つ

外貨、外国株や債券などを持つことで、円安時の総資産減少を食い止められる可能性があります。
ただし、投資信託などで為替ヘッジありの商品だと、為替変動時のリスクを減らせる一方で、逆変動時の利益も減ることに注意が必要です。
そもそもヘッジコストが割高なので、多くの資産をつぎ込んでもコスト負けするかもしれません。

インフレ対策としての外国資産はリスクヘッジ程度に考えておき、儲けを狙わない方が安全といえるでしょう。

現金以外の現物資産に分散する

インフレはモノが値上がりしてお金の価値が下がるので、モノを持っておけば価値の低下を吸収できる=インフレのリスクヘッジとなるという理屈です。
ここでいうモノとは金(ゴールド)や不動産などの現物資産です。
スタグフレーション時は物価が上がるので、現金よりもモノで持っておくと資産価値が上がる、ということです。

ただし、大地震など予期せぬ要素で資産価値が暴落する可能性もあるので、同じ不動産でも地域を分散するなどの工夫が必要でしょう。

いい感じの株式を保有する

超長期的にみると、株式の保有は有効なインフレ対策とされてきました。
インフレ時には商品価格に上乗せして増収とすることができるからです。
つまり物価上昇に合わせて株価も上昇する傾向にあります。

しかし短期的には株価と物価はマイナスの相関となることが多いようです。
特に物価だけが急上昇した場合、消費者が節約志向となることを心配して業績予想も下向きとなり、その結果株価は下がります。

よい銘柄を選んだとしても株価の変動は運の要素が強いため、投資信託などを駆使して分散投資するのが無難でしょう。

副業する

頑張って本業で昇給しても、それを打ち消すのがスタグフレーションです。
私サクリの知人に、ヒマな部署に異動になったため、定時退社後にコンビニでバイトをしていた人がいました。
本業と比べて時間単価が良ければ、副業を検討することはおかしなことではありません。

この方法では、なんといってもゼロリスクで日本円を稼げるところがいいですよね。
その分を外国資産やゴールドへの投資に回し、結果として物価上昇に備えることができます。

まとめ

今回は簡単にスタグフレーションについてまとめてみました。

要約・スタグフレーションとは
  • 賃金は上がらず物価だけが上がっていくので、ただの不況(デフレ)よりも悪い経済状態
  • 海外由来の原因など、発生を防げないものでもある
  • 個人レベルの対策は、資産の分散

ここまで読んでくれた方は、スタグフレーションの基礎的な知識が身に付いたと思います。
スタグフレーションは誰にとっても厳しい現象ですが、個人レベルではある程度対策できます。
興味があれば、他の記事も読んでみてくださいね。

※文中に出てくる具体的な投資商品などは、内容をわかりやすく解説するためだけに用いており、これらの商品への投資を勧めるものではありません。実際に投資するかの判断は自己責任にてお願いします。

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