eMAXIS Slimシリーズ全14本のうち、引用できた以下7本
– 国内株式(日経平均)
– 国内株式(TOPIX)
– 先進国株式インデックス
– 新興国株式インデックス
– 国内債券インデックス
– 先進国債券インデックス
– 国内リートインデックス
「eMAXIS Slim 各シリーズのトラッキングエラーを知りたいな~」
と思ってすぐに浮かぶのは月次レポートの騰落率の差ですが、これはトラッキングエラーではなく「リターン差」です。
正しく定義されたファンドのトラッキングエラーとは、「ファンドの超過収益率の標準偏差」です。
これを調べ、計算するのはかなり手間がかかります。
ところがありがたいことに、野村総合研究所のレポートに、計算済みのトラッキングエラーが載っています。
そこで本記事では、eMAXIS Slimシリーズの最新のトラッキングエラー値を、評価レポートから引用する形で紹介します。
データは全て、野村総合研究所 Fundmark Report 2024年7月号から引用しています。
ぜひファンド選びの参考にしてくださいね。
eMAXIS Slimシリーズ全14本のうち、引用できた以下7本
– 国内株式(日経平均)
– 国内株式(TOPIX)
– 先進国株式インデックス
– 新興国株式インデックス
– 国内債券インデックス
– 先進国債券インデックス
– 国内リートインデックス
トラッキングエラーって?
トラッキングエラーとは、連動指数とファンド成績とのズレのことです。
インデックスファンドではこの値が小さい方が良いとされます。
トラッキングエラーが大きい=指数とのズレが大きいことを示し、それは価格変動が大きいことを示し、つまりリスクが高い状態となるからです。
積み立てによる長期運用を前提に、リスクが低い運用をしたいのなら、価格変動が小さいもの=トラッキングエラーが小さい商品を選んだほうが良い、ということですね。
トラッキングエラーなどを目安にインデックスファンドを選ぶ方法については、以下の記事で紹介しています。
株式
さっそく各ファンドのトラッキングエラーをみていきましょう。
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
6ヵ月 | 1年 | 3年 | 5年 | |
年率トラッキングエラー[%] | 0.92 | 0.88 | 0.97 | 0.93 |
225銘柄をもつ日経平均とのトラッキングエラーは、1.0%弱となっています。
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
6ヵ月 | 1年 | 3年 | 5年 | |
年率トラッキングエラー[%] | 0.05 | 0.04 | 0.03 | 0.03 |
日経平均の約10倍となる、2137銘柄に投資しています。
TOPIXではリスクが平滑化されるのでしょうか。
日経平均よりもだいぶ小さなトラッキングエラーとなっています。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
6ヵ月 | 1年 | 3年 | 5年 | |
年率トラッキングエラー[%] | 0.21 | 0.25 | 0.28 | 0.32 |
日本を除く1227の銘柄に分散投資しています。
225銘柄よりも分散が効いているのでしょうか、トラッキングエラーも小さめです。
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
6ヵ月 | 1年 | 3年 | 5年 | |
年率トラッキングエラー[%] | 0.51 | 0.52 | 0.65 | 0.71 |
1277銘柄に分散投資していますが、先進国株式インデックスよりもトラッキングエラーが大きめです。
新興国は政局・法整備・地政学リスクなどが不安定なことが多く、相対的にリスクの高い投資対象とされます。
債券
eMAXIS Slim 国内債券インデックス
6ヵ月 | 1年 | 3年 | 5年 | |
年率トラッキングエラー[%] | 0.04 | 0.04 | 0.07 | 0.06 |
ローリスク資産の筆頭ともいえる国内債券にほぼ100%投資しています。
9割以上がA格債への投資です。
小さめのトラッキングエラーです。
eMAXIS Slim 先進国債券インデックス
6ヵ月 | 1年 | 3年 | 5年 | |
年率トラッキングエラー[%] | 0.35 | 0.28 | 0.42 | 0.49 |
先進国といってもアメリカだけで46.6%を占めます。2位の中国は9.9%ほどです。
約6割がAA格債への投資です。
組入通貨は米ドルが47.2%、ユーロが30.8%です。
リート
eMAXIS Slim 国内リートインデックス
6ヵ月 | 1年 | 3年 | 5年 | |
年率トラッキングエラー[%] | 0.02 | 0.09 | 0.06 | NA |
リート(REIT)とは不動産投資信託のことです。
58銘柄に投資しています。
このファンドは、設定日が2019年10月31日です。
設定されてから5年が経過していないため、過去5年のデータはありません。
まとめ
代表的なインデックスファンドのトラッキングエラーを紹介しました。
eMAXIS Slimシリーズ全14本のうち、引用できた以下7本
– 国内株式(日経平均)
– 国内株式(TOPIX)
– 先進国株式インデックス
– 新興国株式インデックス
– 国内債券インデックス
– 先進国債券インデックス
– 国内リートインデックス
この記事は定期的に更新しますので、いつでも参照してください。
楽天証券だけはファンドのページにトラッキングエラーが載っています。
しかしeMAXIS Slim 国内株式(日経平均)の1年TEが5%超と、本記事で紹介した数字とは全く違っています。(2024.3.2現在)
これは、個人投資家向けのファンドはベンチマークとしている指数に配当を含むかどうかや、計算元となる基準価額に信託報酬などのコストを含むかどうかが、ファンドや販売会社によってまちまちだからです。
トラッキングエラーが当てにならないという話は、以下のサイトが参考になります。
https://in-invest.net/2018/04/19/post-319/
(儲からない投資の知識 – 「公募投信のトラッキングエラーはあてにならない」)
興味があれば、他の記事も見てみてくださいね。
それではまた別の記事で!
参考文献
eMAXIS Slim 全シリーズ
https://emaxis.jp/lp/slim/pr1/
野村総合研究所 レポート一覧
https://www.nri.com/jp/knowledge/report/lst?category=173150fc-a53f-4c63-a1d7-8ef52b3b9df4
誤解が多いインデックスファンドの運用実績(finasee)
https://media.finasee.jp/articles/-/10532?page=2
ファンド検索(マネックス証券)
https://fund.monex.co.jp/search
※本記事においては、株式会社野村総合研究所より許可を得てデータを引用しています。本記事内容の転載は厳にお控えください。
※文中に出てくる具体的な投資商品などは、内容をわかりやすく解説するためだけに用いており、これらの商品への投資を勧めるものではありません。実際に投資するかの判断は自己責任にてお願いします。